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考察メモ/日本の伝統関連/伝統行事について

はじめに
 日月神示には古来の伝統行事が出てくるが、その中には現在では多くの人に忘れられているものもある。
 特にGHQによる占領政策で……。
 それでも伝統を守ってきたご家庭や地域では「は、なにそれ?」かもしれないが、読み解きのためメモとしておく。
季節日付節句備考
2/4 春分 春の始まり、稀に5日になることもある
- 初午 旧2月最初の午の日、
2/8 針供養/御事始め 1年の始まり、春を迎える準備
2/11 紀元節 現在の建国記念日
旧3/3 上巳/桃の節句 ひな祭り
4/8灌仏会 花祭り、お釈迦様の誕生日
旧5/5端午の節句 
6/30 夏越しの祓い 1年の前半の厄を落とす大祓い
- 夏の土用 1年でもっとも暑い季節
旧7/7七夕伝統的七夕
旧7/15 お盆/盆供養 元は豊作祈願祭、それが仏教の盆と重なった
旧8/15中秋の名月 お月見
旧9/8 重陽前夜 
旧9/9重陽 収穫祭、菊の節句
11/15七五三 
12/13 煤払い 年末の大掃除
12/22頃 冬至 1年でもっとも日が短い日
1/1正月 初日の出、初詣で、若水、おせち料理、等々
1/2 初夢 元日の夜、現在は2日未明に見る夢
1/7 七草がゆ 春の七草を使って無病息災を願う
1/11 鏡開き 鏡餅を割って食べる、15日頃の地方も
2/3節分 豆まき、稀に4日になることもある

 

正月
 新年を祝う行事。地域や家庭によって様々な過ごし方がある。
節分
 立春の前日。豆まき。厄払い。
 雪国では落花生が主流だが、それ以外の地域では炒った大豆を投げる傾向がある。
 南九州だけ雪が積もらないのに落花生派だが……。
針供養/御事始め
 1年の農作業を始める目安の日。そのため地域差が大きい。反対に1年の仕事を終える御事終わりの日や冬至の日に針供養を行う地域もある。
 旧暦で8の付く日に行うことから事八日(ことようか)とも呼ばれる。
 現在は農作業の目安から離れ、地域(神社?)によって12月8日、冬至の日、2月8日等に分かれてるもよう。
紀元節
 古事記、日本書紀の記述から、神武天皇が即位されたとする日。紀元前660年2月11日。
 GHQの占領政策で一度廃止させられる。
 現在の「建国記念日」は1967年に復活。
(じょう)()/桃の節句
 古来中国では3月上旬、邪気祓いのために川に入って身を清める(みそ)ぎを行っていた。
 日本に入ってきた時にはまだ水が冷たい季節だったので、代わりに人形を流して厄払いをする「流し(びな)」の風習に変わる。
 江戸時代にこの節句が庶民に入ってくると、人形は流すのではなく飾るものへと変わり、どんどん豪華になっていった。
 本来の意味では厄払いの日。桃も日本の原生種では固い厄払いの果物だった。
端午の節句
 古来中国では5月最初の午の日、物忌みの厄払いとして薬草を集め、体内から(けが)れを追い出そうとしていた。
 日本に入ってきた時は5月と午(ご)を掛けて5月5日の行事とし、同じように野山から薬草を集めて厄払いを願っていた。
 この時に集めたのが季節的に菖蒲であったため、鎌倉時代に「菖蒲と勝負」を掛けて武士の祭りへと変わった。
 庶民は(のぼり)を立てることは許されなかったため、代わりに鯉のぼりが生まれて形だけが現在に至っている。
 本来の意味では身の穢れを祓う日であった。
夏越(なご)しの(はら)
 新暦が使われるようになってから、6月30日に行う1年の半分が終わった時の大祓いとなった。
 この日に上半期の厄落としと、これから来る夏の乗り切る祈願をするために茅の輪くぐりが行われる。
 旧暦が使われていた時代は、梅雨が明けて本格的な夏がくる前に行う、夏を乗り切るための厄落としだった。
夏の土用
 1年でもっとも暑い季節。立秋前の18日間で、7月下旬〜8月上旬。
 この期間中の「丑の日」に「う」の付く黒いものを食べると良いとされたため、うなぎが食べられるようになった。
 その意味では牛丼や、汁の黒い関東風のうどんも間違ってない。
七夕(たなばた)(伝統的七夕)
 五節句の一つで、お盆を迎える前に身の穢れを祓う日であった。
 かつてはこの日に神様にお供えする布を織るために乙女──棚機女(たなばたつめ)が選ばれ、彼女は日々川で(みそ)ぎを行いながら、その川の近くに建てられた小屋で作業していたそうだ。
 中国から織姫と彦星の伝説が伝えられると儀式の簡略化が起こり、夕方に川で身を清めるだけの最初に書いたようなものに変わった。お供えする布も短冊に変わり、そこに和歌が書かれるようになった。
 やがて江戸時代になると短冊に願い事を書いて笹に吊るす風習へと変わっていく。
 また旧暦では夜遅くまで月が出てこない時期であり、夕涼みにちょうどよい季節なので星空を見るようにもなった。
お盆/(ぼん)()(よう)
 本来は旧暦7月15日に豊作祈願で行われていた行事。
 のちに仏教のお盆と重なって、今は8月15日の夏休みと化している。
重陽
 旧暦9月9日に行われる収穫祭。戦前までは1年でもっとも重要な節句とされていた。
 別名「菊の節句」。この菊が天皇家と重なるため、GHQの占領政策で禁じられてきた。
 そのはずだが現在は「収穫祭」の方が消えてしまい、菊祭りの部分だけが報道されている。
七五三
 子供の成長を祝う儀式。本来は立冬前、現在の10月下旬頃に行われていた。
 江戸小氷期が終わった影響か、それが「雪が降る前」に変わって、現在は11月15日が一般的。
冬至
 1年でもっとも日の出ている時間が短い日。太古はこの日を1年の始まりとする文明が多かった。
 この日に無病息災を祈願する行事がいろいろ行われ、地域によってかぼちゃ供養、豆腐供養、小豆供養など、様々なバリエーションが生まれている。またこの日に針供養を一緒に済ませる地域もある。
 無病息災を祈って「ん」の付く食べ物を取ると良いともされる。カボチャは昔は「かんぼちゃ」ないし「南瓜(ナンキン)」と呼んでいたため。呼び名から「ん」が消えた現代でも風習として残っている。 他に「れんこん」「にんじん」「ぎんなん」を食べる風習のある地方もある。
 いつの頃からか「冬至」と「湯治」をかけて、お風呂に入って体を温める風習が始まった。それが「ゆず湯」になったのは諸説あって不明。