気象精霊記外伝〜キャサリンの出エジプト記
第二章 天然ボケの救世主
- 「おお、モーゼさま。やっとお会いすることができました。二〇年ぶりですが、わたしのことは覚えてくださってますか?」
- ホレブ山から逃げるように下りてきたモーゼを、山を登って迎えにきた男がいた。雰囲気からモーゼよりやや年長か。髪やヒゲに白いものが混じっている。
- 「おぬしは、たしか……」
- 男の顔を見て、モーゼが驚いた表情で指を差す。
- 「たしかエジプトで都を作っていた時、石に彫刻をしていた……」
- 「そうです。彫刻工をしてました」
- 「……名前が……、……オン……で終わったような……」
- モーゼが名前を思い出せず、その場で固まっていた。
- そのモーゼに向かって、男が心持ち身を乗り出している。
- 「マオン……、ゼノン……。いや、終わりはロンだ……」
- 「はい。ロンで終わらせてください」
- 男が期待に満ちた顔でモーゼを見ていた。その男の前で、モーゼは名前を思い出せず、指先を小刻みに震わせている。
- その時間があまりに長すぎて、男の目から涙が出てきた。次の瞬間、
- 「そうだ! メロンだ!」
- モーゼの震えが止まり、そんなことを言ってきた。
- それでのけぞった男が、そのまま後ろに倒れて坂道を転がり落ちていく。
- 「おい、大丈夫か?」
- それを見たモーゼが、慌てて男に駆けよった。そのモーゼの耳に、
- 「アロンなのに……。わたしはアロンなのに……」
- 道に転がった男──アロンが、意識朦朧としながら悲しそうに零していた。
-
- 「いや〜、すまなかった。久しぶりすぎて、名前が思い出せなかったよ」
- 気がついたアロンに、モーゼが開口一番にそう弁明した。それにアロンが、
- 「まあ、その点はいいです。二〇年も離れてましたから……」
- と言いつつ、地面に渦巻きを描いている。
- 「それよりもアロン。どうしておぬしがエジプトから遠く離れたミディアンの地におるのだ?」
- 「そう、それです!」
- モーゼの言葉に、アロンが顔を上げた。
- 「今、エジプトが大変なんです」
- そのアロンの表情は真剣なものだった。
- 「何か起きたのか?」
- 「ファラオがラメセス二世に替わりました。あの男は非情にも我々の扱いを家畜以下にして、今まで以上の重労働を強いてきます」
- そう言ったアロンが、迫力のある雰囲気をまとってモーゼの腕をつかむ。
- 「お願いです。我々を助けてください」
- 「なんで?」
- すぐに聞き返してきたモーゼの言葉に、アロンの迫力が消え失せた。
- 「なんで……って。同胞が苦しんでるのに何とも思わないのですか?」
- 「何とも思わないわけがないだろう。同胞が苦しんでいる時に、わたし一人が呑気に羊を追って暮らしているなど、申し訳がないと思う。しかしアロンよ。このわたしに何ができると言うのだ。エジプトに行って何かできると思うのか?」
- 愕然とした顔で聞くアロンに、モーゼがそんなことを語って聞かせた。
-
- その様子をキャサリンとリュカが雲の上から見ていた。
- 「あのアロンについて、何かわかりまして?」
- 「エジプトで石に彫刻していた石工職人です。職人ですので奴隷としては格下の扱いを受けていたようですね」
- 「職人が格下……ですの? 技術があるのでしょう?」
- 「技術を持つ奴隷は、主人にとっては厄介者ですわ。知恵のまわる人も多いですからね。普段から差別的に扱って、叛乱しないように心を折っておくのです」
- 「心を折るなんて、悪知恵が働きますわね」
- 「悪知恵ではなく本能でやってるんです。教養のない主人ほど能力のある奴隷を恐れて、必要以上に攻撃的になるそうですよ」
- 「イヤな話ですわ」
- 話を聞いたキャサリンが、不愉快そうな表情になった。
- 「それで、モーゼとはどんな関係でしたの?」
- 「モーゼがエジプトにいた時の信奉者で、エジプトから追放されたモーゼが、イスラエルの民を救いに戻ってくると待ち望む奴隷たちのまとめ役です」
- 「モーゼは、エジプトから逃げ出したのでしょう?」
- 「でも、奴隷たちの間では、モーゼを恐れたファラオによって沙漠に追放されたと信じられてます」
- 「そのモーゼが戻ってくると、信じてましたの?」
- 「前神帝アウラスの約束を信じてますからね。これを実現させるのが、わたしたちの任務ですよ」
- 「ふ〜ん。それで、いつまで待っても戻ってこないから、呼びに来た……というわけですわね」
- だいたいの話を理解して、キャサリンがアロンをジッと見る。
- 「そういえば、あのアロンは奴隷のまとめ役でしたわね。弁が立ちますの?」
- 「ええ、けっこう知恵がまわる方だと思いますよ。石工職人として、石に文字を刻んでいたほどですから」
- 「それは良いことを聞きましたわ」
- 確認したキャサリンが、意地悪な感じの笑みを漏らした。
- そして、また山の周りに雲を集め始めた。
-
- その間もモーゼは、
- 「許してくれ。わたしだって同胞たちが苦しんでいると聞くと心苦しいのだ。しかし、わたしには悲しいかな、彼らを助ける力がないのだ」
- と、アロンをあきらめさせようとしていた。
- 「モーゼさま、そのような悲しいことを、おっしゃらないでください」
- 「アロンよ。それが事実なのだ。わたしだって心苦しいのだ。彼らを助ける力があるのなら、わたしだって助けてやりたいのだ……」
- ──ピカッ ゴロゴロゴロ……
- モーゼが言ったと同時に、山で雷鳴が響いた。
- それに驚いたモーゼが、硬直した顔で山を振り返る。彼が恐れたのは、謎の声の主だ。
- 『モーゼよ。よく言いました。その力、わたしが授けましょう』
- キャサリンがチャンスとばかりに、二人に語りかけた。
- 「モーゼさま。今の声は?」
- 「知らん。幻聴だ。悪魔のささやきだ!」
- 言うに事欠いて、モーゼが罰当たりなことをほざいた。あくまでシラを通す気らしい。
- 『アロンよ。わたしは昔、神がアブラハムと交わした約束に従い、エジプトからイスラエルの民を救い出すために遣わされた者です。わたしは先ほど、そこにいるモーゼに、イスラエルの救世主に任命したと伝えたところです』
- 「おお、神よ……」
- アロンが大感激して、涙腺が崩壊していた。片膝を突いた祈りのポーズで、光に包まれた山を見上げている。
- その隣にいるモーゼは、
- 「救世主? お断りしたはずだが……」
- 顔面蒼白になった顔をブンブンと左右に振っていた。彼は往生際が悪かった。
- 『アロンよ。あなたはモーゼの、エジプトからイスラエルの民を救い出す役目を手伝いなさい。ファラオを恐れることはありません。あなた方には神のご加護を約束します。頼みましたよ』
- そう言い切ったキャサリンが、ニヤッと笑みを零した。それは、
- 「キャサリンさん。悪い顔になってますよ」
- とリュカがツッコむような顔だった。
- だが、そんなキャサリンたちが見えないアロンは、
- 「よかった。これでイスラエルの民は救われるんだ!」
- 山に向かって両手を大きく広げ、感謝の祈りを捧げていた。
- 対照的にモーゼの心中は穏やかではなかった。
- 「よ、よかぁないわ!」
- 自分の身長ほどもある岩の前に立って、いら立ちをぶつけるように羊飼いの杖でガツガツと突いている。
- 「さあ、モーゼさま。さっそくエジプトに参りましょう!」
- 相変わらず気持ちが高ぶったままのアロンが、エジプト行きをうながした。
- 「致し方ない」
- ようやくモーゼが腹を決めた。岩から離れ、ふもとの集落が見える場所へ移動する。
- 「アロン。わたしにはエジプトへ発つ前に、やらなくてはならないことがある」
- 「はい」
- モーゼが何を言い出すのか、アロンが真剣な顔で聞き逃すまいとしていた。
- 「まず急いで山を降り、放牧した羊を集めなくてはならんのだ!」
- 「おい、おっさん!」
- アロンが冷めた口調でツッコんだ。だが、そんなアロンを置いて、
- 「一頭でも足りなかったら、妻に折檻されてしまうんだ!」
- モーゼが山を駆け降りていった。
- 「ちょっと、無視しないでくださいよぉ〜」
- 一人残されたアロンも、慌ててモーゼを追いかけていった。
-
- モーゼが羊を置いてきたところまで降りてきた。そこでは羊たちがほとんどの草を食べ尽くしたため、あちこちで岩が露出している。そのため羊たちは、数少ない草を求めて、斜面の広い範囲に散らばっていた。
- ──ブォォォ〜ン……
- モーゼが羊を集めるために、角笛を高らかに鳴らした。
- 音を聞きつけた羊が、モーゼのところへ集まってくる。その中には後ろからモーゼに近づき、背中をドンと押す者がいた。一週間も放置されため、「どこ行ってたんだよ?」と文句を言ってるようだ。
- その羊の頭をなでたモーゼが、
- 「アロン。数をかぞえるのを手伝ってくれ。全部で二三八頭いるはずだ」
- と手伝いを求めた。
- 「羊の数をかぞえるのは難儀でな。最後までかぞえるのが大変なのだ」
- 「数をかぞえるだけ……ですよね? まあ、動く相手ですからねぇ」
- アロンがそんな事情を考えながら、羊の様子を見まわした。
- 「かぞえたらエジプトに行っていただけるのですね?」
- 「うむ、そういうことになるが……」
- モーゼはまだ尻込んでいた。そのモーゼが手近にある岩に乗り、
- 「羊が一匹、羊が二匹、羊が三匹、羊が……」
- と、かぞえ始めた。
- 「……ん?」
- アロンが一々「羊が」と言ってるのに違和感を覚えた。だが、
- 「……一〇〇、……二〇〇、……二百三十……一。七頭足りないな……」
- すぐに目で数をかぞえて、足りない羊の姿を求める。
- 「羊が七〇匹、羊が七一匹、羊が……」
- まだかぞえているモーゼを横目に、アロンが斜面を登っていった。
- 「お〜い。みんな集まってるぞ〜」
- 岩陰で草を食べていた羊を見つけた。その子のお尻を押して、モーゼのところへ行くように仕向ける。
- 「起きろ。みんなとハグレるぞ」
- 斜面で寝ていた羊を見つけた。その子も起こして、集まるように言う。
- 「あんな下にもいたか。早くエジプトへ旅立てるように、急いで二三八頭集めないと」
- アロンが下の羊のところへ行こうと、斜面を下っていく。途中、
- 「羊が一二七匹、羊が一二八匹、……」
- まだ羊をかぞえているモーゼの横を通った。そのモーゼが、
- ──ドサッ!
- 突然、岩から落ちて羊の中に消える。
- 「モ、モーゼさま。いったい、どうされたのですか?」
- 慌てたアロンが羊を掻き分けて、モーゼに近づいていった。そのモーゼは一頭の羊の背中に突っ伏している。
- 「モーゼさま?」
- 「すぅ〜。すぴ〜……」
- モーゼは羊の背中で寝息を立てていた。布団代わりにされた羊は、迷惑そうな顔で足許に残った草を食べている。
- 「モーゼさま。一々『羊が……』なんて、かぞえてるから……」
- それを見たアロンが、小刻みに肩を震わせた。そのアロンが、
- 「え〜いっ! 起きんかぁ〜っ!」
- と怒鳴って、寝ているモーゼを放り投げた。
- 羊から落とされたモーゼが、坂道を転がり落ちていく。そして、その先にあった岩に背中を打ちつけ、「がはっ!」と声が出たところで動きが止まった。
- 「し、しまった! モーゼさまぁ〜。大丈夫ですかぁ〜……」
- 我に返ったアロンが、慌ててモーゼに駆けよった。
- 岩の下に落ちたモーゼは、今度は地面に突っ伏して痙攣している。
-
- この様子を雲の上から見ていたキャサリンとリュカは、
- 「あの二人、救世主とその助手としてエジプトに送り込んでも大丈夫ですの?」
- 「さあ、わたしには何とも……」
- 人選に問題がないかと不安になっていた。
- 「いっそのこと漫才師として送り込んだ方が、良いのではありません?」
- 「約束通りイスラエルの民をカナンの地へ連れていくより、その方が最大多数の幸福が目指せそうですねぇ。苦労するのは目に見えてますから」
- キャサリンの考えに、リュカが賛同してくる。だが、
- 「アグディエルさんが認めてくださいますかしら?」
- 「無理だと思います」
- まあ、当然の話だ。
- その二人は、地上のモーゼとアロンを見て先行きを不安に感じていた。
-
-
- 問題のモーゼとアロンがエジプトに戻ってきた。
- そのエジプトは都の建設のためにジャングルを切り拓いたため、かなり沙漠化が進んでいる。だが、まだピラミッドの周りや郊外には多くの緑が残っていた。
- そこへ妻子を連れて戻ってきたモーゼは、さっそくイスラエルの長老たちを集めて戻ってきた理由を説明した。神がアブラハムと交わした約束を守るために、エジプトへ遣わされてきたと。だが、それを信じる者は誰もいなかった。
- 同じ頃、モーゼがエジプトへ戻ってきたという報せが、警備隊によってファラオの耳に届いていた。それを聞いたファラオはモーゼを宮廷に呼び、対面することに決める。すぐに殺すことも考えたが、モーゼはイスラエルの英雄だ。殺した場合、イスラエルの民が暴動を起こす恐れが考えられたからだ。
- そして、長老たちを説得しようとするモーゼのところに、ファラオからの使者が呼びに来た。そこでモーゼは妻子を長老たちのところに残し、アロンを連れてファラオの待つ宮廷に向かった。
-
- 「久しぶりだな。モーゼ。話によると貧乏神の使いとして戻ってきたそうじゃないか」
- ファラオが皮肉を込めて、そんなことを言ってきた。そのファラオはモーゼよりも床の高い場所で、大きな玉座でふんぞり返っている。
- その前でファラオを見上げるモーゼが、
- 「わたしはイスラエルの神の命により、同胞たちをエジプトから解放するために戻ってきた。神の怒りに触れたくなくば、わたしの要求に従ってもらいたい」
- と、棒読みで答える。とんでもない大根役者だった。
- 「神の怒りだと? くく、我の前に来て、暴言でも吐くのか?」
- ファラオがモーゼに見下すような視線を送り、そんなイヤミを言う。
- その様子を、キャサリンたちは空の上で見ていた。リュカが運脈精霊の術を使って、集めた映像を空中に投じている。そのリュカが、
- 「うふふ。言いそうですね。キャサリン」
- と笑いながら、隣にいるキャサリンに言った。
- 「……やりましたわね。そう言えば……」
- ファラオはイヤミのつもりだったが、キャサリンが怒りを爆発させて暴言を吐きまくったのは事実だ。
- 「さすが地上界でも王になるだけはありますわ。侮れませんわね」
- キャサリンが不機嫌な顔で映像を見ている。そこではモーゼが、
- 「たしか……疫病だっけ?」
- 後ろに控えるアロンに確認を求めていた。
- 「それを含めた天変地異のオンパレードです」
- アロンが「ちゃんと覚えてろよ」と言いたそうな顔で答える。それに、
- 「……だって」
- とモーゼが続けると、アロンのこめかみにプクッと青筋が浮かんだ。
- 聞いているファラオたちも、今のやり取りはバカらしかったのか、眉間やこめかみに指を当てている。頭が痛いと言いたそうだ。
- その中から一人の神官が前に出て、
- 「モーゼ殿。神がそのような怒りを示すと言われるのであれば、今ここで神の奇跡とやらを拝見できませんかな?」
- ということを言ってきた。それにファラオも、
- 「ほう、それはおもしろい。我にも見せてもらおうか」
- と言って、玉座でふんぞり返った。
- 「よろしい。では、神の奇跡をお見せしよう」
- 待ってましたとばかりに、モーゼが持っていた羊飼いの杖をアロンに渡した。
- 「リュカ。準備はよろしいかしら?」
- 「はい。ここからは打ち合わせの通りに……」
- ファラオたちが奇跡を見せろと言ってくるのは想定済み。そこで最初に見せた奇跡をもう一度やろうと、事前に地上の二人には伝えてあった。
- アロンが受け取った杖をそうっと床に置いた。そのタイミングに合わせて、リュカが空間転位術を使う。今回は森に棲むニシキヘビではなく、沙漠に棲むキングコブラだ。
- 『おおおぉ〜……』
- その場にいる者たちが、いっせいにどよめいた。その者たちに向かって、
- 「もしも、この奇跡を手品だと申す者がいれば、そのタネを明かしてもらいたい」
- とモーゼが言い放った。それに神官たちが困惑の表情を見せる。
- それを見たモーゼが、
- 「神の奇跡を認めるしかないようだな」
- と言いながら、キングコブラに手を伸ばした。
- ──かぷっ!
- 「ゲッ!」
- キングコブラがモーゼの右手に噛みついて、ぶら下がっていた。
- それを見た一同が、その場で凍りついている。
- 「リュ、リュカ、杖に戻すのですわ!」
- 「は、はい。すぐ……」
- キャサリンに言われて、リュカが慌てて空間転位術を使った。手に噛みつくキングコブラが沙漠に返された。代わりに戻ってきた羊飼いの杖が、床に落ちてカランと乾いた音を立てる。
- 悪夢のような沈黙の時間。
- しばらくの間、モーゼたちは床に転がった杖を見ている。
- その間にモーゼの右手が、キングコブラの毒によってどんどん褐色に変わっていった。
- 「ファラオよ。三日待つ。その間によい返事を待っているぞ」
- 右手をさするモーゼが、平静を装いながらそう言った。そしてくるりと背中を向けると、そのまま宮殿から出ていこうとする。
- 一部始終を見ていたファラオは、今も目を点にしていた。
- 侍女の一人が前に出て、床に転がっていた羊飼いの杖を拾う。それを固まったままのアロンに差し出した。
- 「す、すまない」
- 我に返ったアロンが、侍女から杖を受け取った。そして、
- 「モ、モーゼさま〜!」
- 慌ててモーゼを追って宮廷を出ていく。
- その背中を見送りながら、ファラオが、
- 「もしもモーゼがコブラに噛まれたのに無事でいたら、やつらの言う神の奇跡とやらを、少しは信じてやっても……いいかもしれない……」
- と側近たちに零した。
-
- 【キャサリンの回顧録】
- このあと、リュカが急いでモーゼを治療して、事無きを得ましたの。おかげでファラオたちは、ほんの少しですが耳を傾けるようになりましたわ。
- でも、モーゼはこの時の失敗を隠して、聖書にはウソを書いてますのよね。エジプトの神官たちも魔術で杖をヘビに変え、キングコブラはそのヘビを呑み込んだなどと……。