- ニコ・ペッカはSNP理論によって、この世界で起こる現象すべてを記述できるとするSNPの運動方程式を組み立てた。この運動方程式には複雑なSNPテンソルが使われ、ここから15の解(理論)が導かれると予想されている。
低時空仮説からは6つ(余剰次元を排除すると7つ)の解が導かれる。現在はそのすべてが厳密解、ないしは近似解で解明されている。
全時空仮説からは残り9つの解が予想されているが、現在は1つが解かれ、もう1つが解かれたとされたのみで物理的な意味も解明されてない。その2つの解を導いたのは、共に霜野千恵理である。
なお理論に付けられた番号には物理的な意味はなく、単純に導かれた順番である。
第0の解 ニュートン力学、電磁気学、相対性理論
- 余剰次元を排除すると、在来の物理理論となる。
第1の解(厳密解) 物質変換、エネルギー抽出
- SNP空間からの作用で、物質変換を行う理論である。
物質変換には弱い相互作用によって陽子と中性子を変えるものと、電磁力によって分子構造を変えるものの2種類がある。
原子核に働き掛けるものは変換の前後で原子の質量数が変わらないため、大掛かりな元素変換はできない。ただし、この変換には大きなエネルギーの出入りがともなうと同時に、放射性同位体を作り出す危険性がある。
また元素変換は行わないが、中性子を素粒子にまで分解してエネルギーを取り出すという使い方もある。
一方で原子には手を加えず分子構造のみを変化させるものは、近くに必要な元素さえあれば比較的自由に組み換えられる。ただし、物質の構造とまでは言わなくとも物質の「感じ」を知った上で正しく制御しないと、思うような物質への組み換えはできない。
なお、SNPではどちらも弱い相互作用で働き掛けている。それが加減によって電磁力に変わる点に注意。
第2の解(厳密解) 浮遊理論
- 俗称として「反重力」とも呼ばれるが、より正確には空間固定理論である。
SNP理論で扱う空間(以下SNP空間)は、物質にまとわりつく余剰次元空間である。この空間は近くにあるより質量の大きな物質の影響を受けて動くため、惑星表面では地表に対して静止しているように見える。そのため、その空間に物を固定すると、まるで空中に浮かんでいるような状態となる。
なおSNP空間では重力が無視できるほど小さいだけで、実は静かに落ちている。またSNP空間の動きは地球の自転よりわずかに遅れ、地表(ジオイド面)から離れるほど顕著になる。だが、それよりも大陸移動による地面の動きの方が大きい。
第3の解(近似解) 無限エネルギー(SNP版再生可能エネルギー)
- 第2理論の元になるSNP空間の動きから、エネルギーを取り出す理論である。第1理論で取り出すエネルギーとは別物。
地球の自転によって生まれる風や海流からエネルギーを取り出すことに似ているが、得られる量はかなり大きい。
最初に工業化に成功した理論で、SNP推進とそれを応用したSNPモーターが実現されている。
第4の解(近似解) ワープ、テレポート
- 3次元空間(以下通常空間)にある物質(以下通常物質)がSNP空間を通過できることを示した理論である。
SNP空間の移動は瞬時に行われるため、まるでワープやテレポートしたような状態となる。
移動の前後で運動量は保存されるので、地上では10kmの移動でも通常空間へ戻る時の衝撃でケガをする危険があり、100kmともなると死の危険がかなり高くなる。
なお300m以内の移動であれば、障害物がない限りは安全である。また通常空間の戻るところに物質があった場合、それとSNP空間から衝突して互いに通常空間内で弾かれ合う(ように見える)現象が発生する。そのため間違っても融合する心配はない。
第5の解(近似解) 念動力?
- 通常物質が、SNP空間に影響を与えられることを示した理論である。
これは工業的にSNP空間を利用するだけでなく、生物もSNP空間を利用できる可能性を示した。
なお、この理論を近似解であることを理由に否定する学者が多いが、SNP能力は実在している。
第2理論と組み合わせることで、宇宙開発にも使われるようになった。
第6の解(近似解) 作用未解明
- 低時空仮説から導かれた最後の解。まだ何を意味しているのか解明されてない。
第7の解(近似解) 作用未解明
- 第1理論を全時空仮説に拡張した解である可能性がある。
ちなみに全時空仮説では強い相互作用(核力)を対象とするため、原子核変換に関する理論の可能性が出ている。
第8の解(近似解) 作用未解明
- 解かれたばかりなので、まったく解明は進んでいない。
タイムマシン、千里眼(リモート・ビュー)、予知夢が候補に上がっているが、これは時間軸を近似にしたための誤差の可能性も出ている。
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