男女の知的能力差
COLUMN
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新規:2015年12月26日
- これは 2011年12月15日の『ぷちコラム』に書いたものを再編集したものです。
- 日本では女性政治家や女性管理職が少ないのは、日本が女性差別をしているからだという言説が、まとしやかに語られています。それが本当なのかと気になり、統計学を使って考えてみました。その結果として得られた数表を再編集し、最後に掲載しています。
- 男女参画社会とか、管理職に最低比率を義務づけるとか、気になるニュースが増えてきたので、過去のコラムを掘り返した次第です。
- 知的能力の性差について
- 男女の知的能力の差については、学校に通っていた頃に多くの人が学力から何かしら体感してきたと思います。
- 私が考察前に感じたものは、以下の通りです。
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- 小学校、中学校ではクラスメートの女子の方が成績が高い
- 感覚的に、そんな印象がありました。
- これを「女子の方がマジメに勉強するから」「気が小さいから怒られないように勉強してる」と理由づけされてました。
- 体の成長と同じで「脳も女子の方が早く成長するから」と言われたこともありました。
- 他に「語学と算数は女子の方ができる」と聞いたこともあります。
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- 中学校の定期試験では、上位は圧倒的に男子が多い
- 男女別の成績は知りません。ただ成績上位者として貼り出される上位1割の顔ぶれは、圧倒的に男子が占めていました。
- もっとも、中学1〜2年の頃に通った中学では、トップは女子でした。
- ただ、それでも平均的な学力は、女子の方が高いと感じていました。
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- 高校では上位の進学校ほど女子の比率が低い
- 私が高校時代を過ごした地方都市には、5つの公立進学校がありました。そこからの実感です。
- 1番の進学校は女子率1割、私の通った2番目は2割、3番目がほぼ男女同数で4番目は7割、そして5番目は女子校でした。
- また市内の私立校のうち共学は1校のみ。他3校は女子校なので、そちらに流れるから女子が少ないとも言われてましたが……。
- ちなみに私立の共学校は募集段階から男女同数なので、考察からははずしてます。
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- 進学率が上がると女子率の方が高くなる
- 私が大学に進んだ頃は、まだ大学進学率は30%ほどでした。この頃はまだ女子の方が少ない状態でした。
- でも、大学進学率が50%に近づいた時、女子の進学率の方が高くなる逆転現象が起きました。
- マスコミは「これからの時代は女子も働く時代だから」と説明してましたが、その解釈は本当でしょうか?
- これは戦前、女子の中学進学率が高くなった現象とも通じると思います。
- 歴史の本には「男子の場合は中学へ進学すると徴兵が免除されるので、政策的に男子の進学率の方が低い」と説明するものがありますが。
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- 女子は個人差が小さい?
- これは個性の意味ではなく、あくまで能力の話です。そして上の4つとは違い、多様性について感じたことです。
- 体格では女性の個性は非常に小さく、多くの女性が中央の数少ないサイズにまとめられます。
- たまたま調べ物をしてて知ったことですが、女性は4つの靴のサイズで8割をカバーできるそうです。
- でも、男性では中央の4つのサイズだけでは半分以上の顧客を逃してしまいます。
- 女性物の服が多様なのに男性物の服に個性がないのは、女性がファッショナブルなのではなく、経済論理性が最大の理由かもしれません。
- ここから知的能力の分散についても、女性の方が狭いと考えられます。
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- 関係式の算出
- 男女の分布に関する近似式を求めるにあたり、センター試験や国立大学の偏差値と男女比などを参考にしました。
- まずセンター試験では、英語と数学の成績分布に顕著な2つの山が見られます。ここから男女の平均学力差の目安が得られます。
- そして任意の国立大学の偏差値と男女比から、大ざっぱな近似式として、
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- 男性の分散σm 女性の分散σf σf = 1.710σm − 0.428
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- という関係が得られました。かなり乱暴な近似ですが、けっこう私の実感には近いのではないかと思います。
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- なお、各所にある成績優秀者の追跡調査では女性が男性の半数を超えるものが多くありますが、これは男女に分けた上でのサンプリングなので、男女比の参照にはしていません。
- (例:全米の数学成績上位1%の追跡調査〜など)
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- 以上、男女の知的能力について、大まかに考えたことが以上です。
- あくまで大量のデータを使って得た統計ではなく、統計学的に見た場合の推論です。実態を保証するものではありません。
- 私の実感に近いというだけですので、あしからず。
能力精査の簡易一覧表
σf = 1.710σm − 0.428
社会上位からの存在比率 | 女性比率(%) | 偏差(正規分布) | 備考 |
社会全体(%) | 男性のみ(%) | 女性のみ(%) | 上位から | 下位から | σm | σf |
0.01% | 0.01999% | 0.0000095% | 0.0475% | --- | 3.546 | 5.636 | |
0.1% | 0.1992% | 0.00074% | 0.0037% | --- | 2.878 | 4.494 | |
0.25% | 0.499% | 0.0012% | 0.0024% | --- | 2.577 | 4.360 | このあたりが女性比率の底? |
0.5% | 0.982% | 0.018% | 1.8% | --- | 2.333 | 3.561 | 200人に1人のレベル |
1% | 1.91% | 0.092% | 4.6% | --- | 2.072 | 3.115 | |
2% | 3.59% | 0.408% | 10.2% | --- | 1.799 | 2.649 | 日本の政治家(25万人に1人) |
2.5% | 4.36% | 0.637% | 12.6% | --- | 1.710 | 2.494 | 40人に1人のレベル |
3% | 5.10% | 0.902% | 15.0% | --- | 1.635 | 2.368 | |
5% | 7.75% | 2.26% | 22.6% | --- | 1.421 | 2.002 | 欧米の政治家(10万人に1人) |
10% | 13.15% | 6.84% | 34.2% | --- | 1.121 | 1.488 | |
20% | 21.79% | 18.11% | 45.3% | --- | 0.779 | 0.904 | |
25% | 25.59% | 24.42% | 48.8% | --- | 0.656 | 0.694 | |
27.42% | 27.42% | 27.42% | 50.00% | 50.0% | 0.6028 | 0.6028 | 男女同数になる位置 |
30% | 29.29% | 30.71% | 51.2% | 49.5% | 0.545 | 0.504 | |
40% | 36.49% | 43.51% | 54.4% | 47.1% | 0.345 | 0.162 | |
45.06% | 40.12% | 50.00% | 55.48% | 45.50% | 0.2503 | 0.0000 | 女性の中央値 |
50% | 43.52% | 56.48% | 56.5% | 43.5% | 0.158 | -0.158 | |
58.29% | 50.00% | 66.58% | 57.11% | 40.06% | 0.0000 | -0.4280 | 男性の中央値 |
60% | 51.34% | 68.65% | 57.2% | 39.2% | -0.034 | -0.486 | |
70% | 59.75% | 80.24% | 57.3% | 32.9% | -0.247 | -0.850 | |
80% | 69.60% | 90.40% | 56.5% | 31.0% | -0.513 | -1.305 | |
90% | 82.25% | 97.74% | 54.3% | 11.3% | -0.923 | -2.006 | |
92.83% | 86.65% | 99.00% | 53.33% | 6.96% | -1.110 | -2.326 | |
96.62% | 93.37% | 99.87% | 51.68% | 1.9% | -1.504 | -3.000 | 女性の3σ |