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公開:2018年3月14日 更新:2018年3月14日

小説史〜昭和中期

戦後から高度経済成長期
 戦前までのエンタメ出版物は、まだ小説とマンガが別れていませんでした。
 戦後すぐ、手塚治虫がマンガに映画の手法を取り入れてコマ割りなどに革命を起こしたことで、マンガが独立した分野として確立します。
 当然、エンタメ小説の側でも、独自路線を模索する時代です。
大衆小説
 始まりは昭和10年代に始まった「少年倶楽部」ですが、戦後になって一気に花開いたムーブメントです。
 ここで活躍した作家を見ると、江戸川乱歩、吉川英治、横溝正史、海野十三などがいます。
 もちろん初期の頃は低俗小説とバカにされていました。ですがマンガが少年少女向けに独立した流れからか、比較的年齢の高い層をターゲットにしたために時代とともに評価され、のちの時代には教科書に名前が載ったり、文化勲章をいただく人が出てきます。
歴史小説
 史実をできるだけ忠実になぞりながら、そこに脚色や創作エピソードを加える創作ジャンルです。
 歴史に興味を持つ人を増やす反面、小説を史実を思い込む弊害が出ると問題視する人たちもいました。
 代表的な作家さんは、司馬遼太郎、吉川英治など。
推理小説・探偵小説
横溝正史「金田一耕助シリーズ」
江戸川乱歩「少年探偵団シリーズ」〜少年探偵団は戦前の「明智小五郎シリーズ」「怪人二十面相シリーズ」にも出てくるが、主人公にして再開させたもの。
GHQの検閲があった時代
 終戦直後は出版物に対して、GHQの厳しい検閲がありました。
 ここで西洋の言語にはない日本的なセリフや表現が「そこに反米の隠語が隠されているのではないか」と疑われます。そこで西洋流の表現や考え方が押しつけられ、これが戦後の価値観や世相を作っていくことになります。