▲TOP
公開:2018年3月14日 更新:2018年3月14日

小説史〜SF小説

ジュブナイル小説の時代
 大衆小説は登場人物の年齢に制限はありませんでした。
 ところが娯楽小説から独立したマンガが読者を若い層に絞った「少年マンガ」「少女マンガ」で成功すると、小説もその要素を取り入れて主要登場人物を若くする流れを後追いします。
 マンガが独立するより前のサブカルチャー文学へ戻す流れのように思います。
SF小説が主流に
 ジャンルを語る上での広義のSF小説(サイエンス・フィクション)ではなく、1970年代、80年代の昭和後期を語るムーブメントとしてのジュブナイルSF小説(サイエンス&ファンタジー)です。
 始まりは1957年のSFマガジン(早川書房)とする記述が目立ちますが、こういうムーブメントは10年以上の試行錯誤ののちに方向性が固まっていくものです。
 この方向性がジュブナイル小説とも同じだったためか、広義のSF小説には含まれない作品も、この時代に出た作品は一緒くたにSF扱いされたのでしょう。
 代表的な作家さんは小松左京、筒井康隆、星新一、新井素子、田中芳樹など。
PTAや教育委員会から敵視された時代
 この時代の最盛期にはPTAや教育委員会がSF小説に分類された作品を低俗小説と決めつけて排除運動までする異常さを見せました。
 直木賞を選考する松本清張も「俺の目の黒いうちはSF作家出身者に賞は与えない」というほどの拒絶反応を見せました。
 どうして、そこまでの反応を見せたのか不思議ですが。
純粋なラブコメの消えた時代
 よく「ラブコメは世代を問わず普遍のコンテンツだ」と言ってる人がいますが、それはウソです。
 創作の時代が終わったと言われる1980年代後半から1990年代前半にかけて、小説でもマンガでもラブコメ作品がほとんど見られなくなった時代がありました。多くの出版社がラブコメを「やり尽くされたコンテンツ」と見ていて、クリエーターが創りたくても作品を出せなかった時代です。
 そのため、どうしてもラブコメを表現したいクリエーターが、新しい表現媒体であるゲームへ流れていきます。この時の代表作が「ときめきメモリアル」です。
 この時代のラブコメは、ゲームと、そのノベライズがほぼ唯一という状況でした。