くじ引き勇者様 (最終確定は「くじびき勇者さま」)
- 要旨
- 魔法のある異世界。内燃機関は未発達だが、水力技術で20世紀初頭レベルまで発達した社会。
- くじびき原理主義のソルティス教によってまとめられた帝国で起きた物語。
- この世界で火病と呼ばれる奇病が再発生する。数百年前、文明を崩壊させた死の疫病だ。
- 神託により、その謎を探って解決する勇者と従者が立てられる。
- 勇者は帝都へ近衛隊志願にきたくじびき原理主義の剣士。従者はシスターなのに科学オタク。
- この2人がくじびき任せ、運任せで冒険(異世界の遊覧?)を続けて問題を解決するコメディ。
- *補足:「火病」はネーミングに問題ありと指摘され、ラテン語で「デスペラン」を採用。
- 最後の「コメディ」は、サンプル用に書き加えたもの。当時はわざわざジャンルを書いてなかった。
- 主要キャラ
- ナバル=? (補足:この時点では全キャラの名字は未確定だった)
- 近衛隊の採用試験で帝都まで来た若者。近衛隊幼年部で剣技を学んだ経験あり。魔法は使えない。
- 脳筋。くじびき原理主義の剣士。勇者に選ばれたことを天啓と信じ、やる気満々で旅をする。
- ただし、脳筋なのは戦いや作戦の立案面だけで、それ以外は謹厳実直で地頭も悪くない。
- *補足:最初はナバルが主人公だったが、書いているうちにメイベルの方を主人公に変えた。
- メイベル=?
- くじびきを神の意思と考えるソルティス教の修道女。修道院では調理担当。かなりの魔法の達者。
- だが、くじびきで修道女に選ばれたことを恨み、反動で科学に傾倒した反くじびき主義者。科学オタク。
- 修道院で調理担当になったのも、朝食の支度で朝の礼拝に出なくて済むという理由から。
- 得意分野は薬草学(生物学)と機械工学。困った事態に陥ると、「くじびきなんか大キライ!」か口グセ。
- 魔法と調理の腕は高い。頭はいいが、肝心なところで大ポカをやらかして危機を招いてしまう。
- パセラ=?
- メイベルの親友でぼーっとした子。メイベルの愚痴の聞き役。
- 実は皇帝の娘。修道女生活と親が皇帝であるため世間知らず。
- *補足:メイベルに薀蓄を語らせ、読者に設定を伝える役回りとしてよく機能した。
- 皇帝の娘という設定は1巻で使わなかったため、のちに別のキャラ(レジーナ)に分ける。
- 皇帝
- 野心家。実は騒動の裏でいろいろ画策していた。
- *補足:完成時には存在が消えた。代わりにソルティス教の教皇が皇帝役となり、悪役の権力者としてビーズマス卿が生まれる。
- ドラゴン
- 帝国にとっては脅威の生物。圧倒的な強さと魔力を持つ存在。
- 本当は平和主義で人語を話せるのに、帝国を西へ拡大しようとする皇帝の野望にとって障害となっていただけ。
- *補足:設定時はまだ具体的な構想はなく、ファンタジーにありがちな火を噴くドラゴンにすぎなかった。
- 社会設定
- 水力社会
- 水力を主要動力とする社会。化石燃料はいっさい出さない。燃料もバイオマスエネルギー。
- 水力利用のために都市は山の斜面に築かれ、街の地下に動力用の水路が何本も通る。都市災害=ほぼ土砂崩れ。
- 平地には動力用の水道橋が何本も築かれ、街中で水が落ちて水車を回している。不足分は風車等を利用。
- この動力で、大型冷蔵庫、水力鉄道、エレベーターなどの機械が動き、一部は発電でアーク電灯が輝いている。
- 蒸気機関もあるが、大型のために船を動かしている程度。陸上では燃料がいるため普及していない。
- 水力鉄道
- 水車で道路の下でロープが循環している。列車はそのロープを掴んで前進する。
- 動力が水力である部分以外は、ロスアンゼルスのケーブルカーと同じ仕組み。
- 他につるべ式の登山列車(運河エレベーターの応用)もある。
- 軍事レベル
- 魔法と剣が中心。魔法も剣も使えない者が銃を使い始めている。
- 普及銃にはライフリングがないために命中率が悪く、80mも離れれば厚手の布で防ぐことが可能。
- ライフリングは最高軍事機密なので軍隊の正式銃のみ採用。反乱軍に強い武力を持たせない意味もある。
- 運河を移動する砲船がある。技術はあっても戦争が少ないため軍事レベルは停滞。
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