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公開:2018年3月14日 更新:2018年3月14日

中学生以下だったら

10歳以下だったら
 この年齢は一生を決めるセンスを磨く時です。そのためこの年齢でハマった事柄は、一生の宝ものになるはずです。
 反対に10歳までに使うことのなかった才能は、ほぼ10歳を境に消えていき、もう一生獲得できません。
 絶対音感、数学力、運動神経、色彩感覚など、いろいろ知られてます。日本人がLとRの音を聞き分けられないのも、フランス人がア行とハ行を聞き分けられないのも、この歳までに使わなかったために能力が消えた結果です。
 
 作家に関連したもので10歳頃に消えてしまうセンスとしたら、言語センスと漢字センスでしょう。
 言語センスは外国語の習得力だけではありません。
 10歳以下で古文に馴染んだ人は、作家やコピーライターとして言葉選びの素晴らしい才能を手にします。
 大人からは「古文は子供には難しい」という思い込みがありますが、私の周りを見た感じだと、むしろ逆ではないかと感じます。
 明治以降の日本語は、どこか人工的になっています。対して江戸時代までの言葉には五感で伝えるものが多いため、初めて触れる言葉でもなんとなく意味が伝わります。そのため古語の方が子供には読みやすいようです。
 それなのに古文を難しく感じるのは、言語センスが失われたからでしょう。
 漢字のセンスも同じです。大人とは違って子供の頃は、画数の多い漢字の方が覚えやすい傾向があります。漢字の使い分けも、この頃に(つちか)われます。
 この頃までに漢字センスを失った人は、その後、漢字の使い分けに苦労するようです。このセンスを失った人からは、「子供には簡単な文字から教えた方が良い」という思い込みが出てくるのでしょう。
 どちらのセンスも、10歳までに獲得できないと一生苦労します。そのためにも読書はして欲しいと思います。
 ここで言葉選びのセンスを磨かれた作家やコピーライターには、とてもではありませんが太刀打ちできません。
中学生以下だったら
10歳〜14歳の頃は知識を増やす年齢です。そのため小説に限らずマンガでもアニメでも、心いくまでたくさんの作品に触れるべき時代です。
 アーティスト系ではよく「頭の引き出し」という表現を使いますが、その「引き出し」を増やす時代です。
 この年齢はとにかく記憶力が高いので、触れた作品の中身を驚くほど細部まで覚えているものです。読書などからエピソードの引き出しを増やすのは、この年齢での読書量にかかっています。