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公開:2018年3月14日 更新:2018年3月14日

まだ26歳以下だったら

考える時代・一生の脳を決める時代
 中学時代までは暗記力が高く、知識を増やす時代でした。
 それが終わった15〜6歳頃からは、それまでに仕入れた知識を元に、たくさん考える時代です。
 この年齢では多くの人が夜更(よふ)かししてなくても朝に弱いという経験があると思います。それがこの年齢の特徴です。
 物事を深く考えるために、一度知識(常識)を否定してみる反抗期という形で表れる人も大勢います。
思春期・反抗期・中二病時代
 知識を吸収する時代と考える時代の過渡期は、ほぼ思春期と中二病の時代ならび反抗期と重なります。
 思春期と中二病は、ちょっとしたことでも空想や妄想が働く時代です。
 反抗期はそれまで吸収した知識や常識を、一度壊して考え直そうとする創造的破壊から来る人の本能とも考えられます。
創造する時代・とにかくたくさん書け
 中学時代まではエピソードの「引き出し」を増やす時代でした。ただし、この時代の引き出しは、吸収した知識によるものです。
 それに対して15歳〜26歳の時代は、自分で「引き出し」を創っていく時代です。そのための空想癖は、多くの人に経験があるのではないでしょうか。
 
 この頃は人生でももっとも頭の回転が早い時期です。作家に弟子入りした人は、師匠から「月に(400字詰め原稿用紙換算で)1500枚以上書け」と言われる話を聞きますが、この年齢の作家だと完成度を気にしなければ月に1500枚ぐらい簡単に書けてしまいます。日によっては瞬間最大で100枚、そこまでいかなくても80枚ぐらいは書けるでしょう。そのぐらい頭が動く時代です。
 ですからこの期間は、思いっきり書いて「引き出し」を増やしてください。
 学校通いや会社勤めで時間のないという方は、1時間に6枚を目安で考えてください。この年齢でそこまで書けないようであれば、作家としての芽はないとあきらめた方が懸命でしょう。
自分に枠をはめるな・視野を広げたり苦手を克服したりする人生最後のチャンス
 10歳で失われる才能を除くと、まだ脳ミソが柔らかな年齢です。
 自分の得意分野を決めたりせず、せめて20代前半までは視野を広げる方を優先して欲しいと思います。
 図書館で各分野ごとに目に止まったタイトルを1冊ずつ5〜6冊ぐらい借りて、返すまでにそのうち気の向いた2〜3冊だけでも読むというやり方はいかがでしょうか。
 苦手な分野も、このぐらいの年齢までは埋める努力をした方が良いだろうと思います。
小手先の技術は危険
 よく三題噺を考えろというような話を聞きます。でも、若いうちはやり方によっては考えものです。
 この頃は人生でもっとも頭が柔らかく回転も早い時期ですから、何事にも枠をはめず、思うに任せたまま話を広げた方がエピソードの「引き出し」が増えていくでしょう。
 もしも枠がないと発想が広がらないと感じるようでしたら、自分はゼロから物を生み出せる小説家ではなく、シナリオライターとして開き直った方が良いかもしれません。