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公開:2018年3月14日 更新:2018年3月14日

世界文学とは

世界文学とは
 世界文学と聞いて、言葉からどのような作品をイメージするでしょうか。
 これを最初に言い出したのはゲーテだといいます。
 ある言語で書かれた文学は、その言語の使われる社会の中でしか評価されません。
 ですが、他の言語に翻訳されると、その言語が使われる社会にも広まります。それによって新たな価値観や解釈が生み出されます。
 ゲーテはそれが繰り返されることによって、その作品が人類普遍の価値観になると考えました。そうして生まれるのが世界文学です。
世界文学は海外の名作だけとは限らない
 世界中にある本を、原書のまま読める人は多くいません。そのため間に翻訳家が入って、原書を自国の言語に書き直します。
 多くの人がイメージするのは、この別言語からの翻訳です。翻訳には手間がかかるのですから、誰も駄作と思うような作品を翻訳しようと思いません。駄作が翻訳されるとしたら、それは大資本を持つ出版社が世界展開を狙った戦略によるものなので例外です。
 そういう意味で、翻訳される作品は自然と名作と呼べる良作が多くなります。
 
 これと同じように自国の文学作品であっても、古い時代のものを現代語に翻訳することがあります。こうして生まれたも作品も世界文学です。
 また現代の作品であっても原作のままでは長いため、子供向けに短く、かつ平易な文章に直した要約版や抜粋版もあります。 これも世界文学になります。
創作者視点の世界文学
 上に書いたのは、あくまで作品を受け入れる側であり、評価する側からの視点です。
 創作者の視点から見た世界文学は「原作者の手から離れた作品」「原作者以外の手が加わった作品」にすぎません。
 こういう視点を持つと、多くの作家志望の人たちが持っている「こだわり」が無意味なものに感じると思います。