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公開:2018年3月14日 更新:2018年3月14日

創作姿勢

作家の生態比較(2)
  小説家 シナリオライター
一番の目的
物語を創ること
創作家、物語の表現手段として小説を選んだだけ
劇作家や映画作家をしている人もいる
若い頃にマンガを描いていた人が比較的多い(*1)
小説を書くこと
物書き、小説家であるために書く題材を求める
創作の傾向
その時々の気分や興味のおもむくまま
題材は何が書きたいかで考える
物語は設定を含む0から生み出す
時代や人気作を後追い(*2)
題材は何が売れるかで考える
物語のエッセンスを借りて継ぎ足す
時事ネタ
風刺や皮肉として取り込む
取り込む時は元ネタがわからないほど改変する
流行語やカタカナ語は避ける傾向が強い
ほぼそのままネタにする
作中のエピソード等に、そのまま使う人がいる
いつその部分を書いたか、わかってしまう人もいる
流行語をそのまま使う人も多い
読者に対して
作品は作者上位
どこまで読者が受け容れられるかが問題
作品は読者上位
読者は何を求めているかが問題
野望
たくさんの人に読んでもらいたい
それでいながら読まれるのは恥ずかしいという人も
売れたい
自己顕示欲が強い?
創作能力
ネタに困らない
常に書きたいことが湧いてくる
ただし前例がない作品では出版社と衝突しがち
担当編集からネタ提供を受けると
なるべく避ける傾向がある
ネタ不足に悩む人が多い?
常にアンテナを張ってる感じ
 
担当編集からネタ提供を受けると
有り難く使う傾向がある?
創作論・ 
技術論(*3)
技術は天然でこだわらない
技術論には興味はあるが、あまりこだわらない
文章にこだわらないあまり、コピペ濫用の人もいる
ただし文体や漢字の用法、等
  ピンポイントな部分で高くこだわることがある
芸術家気質で物語より文章にこだわる人もいるが
創作論などにこだわる
作文技術や起承転結にこだわりがある
読んだ時は面白くても再読したい気持ちが湧かない
AIに置き換えられやすい作品?
執筆速度(*4)
筆は遅い
筆が安定する人は、ほぼ一定の速度で書き続ける
   通常状態では原稿用紙1日に10枚ほど
ムラっ気が多く執筆速度が安定しない人もいる
   このタイプは神がかると数日で書き上げる
筆は速い
文章技術があるため1冊2〜3週間
執筆速度に慢心して、ギリギリまで書き始めない人も
ネタ切れで筆が止まることもある
ただしネタさえあればいくらでも書ける
スランプ
文章が進まないのがスランプ
アイデアはそろってるのに間の文章が埋まらない
表現が気に入らず何度も編集し直すことも(*5)
ネタが出てこないのがスランプ
書くものがない、何を書けばいいかわからない

 

註釈
*1
 絵柄は10年ほどで陳腐化するため、20代後半以降に小説を書き始めるパターンが多いのではないかと思う。
  →陳腐化については「作品の陳腐化と定番化:陳腐化の谷」参照
*2
「俺だったら、こういうふうに書く」という感じで自発的に後追いしているのかも。
 企画を通すために渋々やらされている場合は別。
*3
 作家の集まりなどで創作論や業界論を話題に乗せてくるのは、圧倒的にシナリオライターに分類される人が多いように感じる。
 対して小説家と認識してる人の中には、そういう話題を嫌う人が何人かいる。
 小説家と認識してる人が珍しくそういう話題を振ってきたと思ったら、その前に他の人と話してて気になったからというできごともあったが……。
*4
 年齢の影響が大きいと思われる。
*5
 ワープロソフトは手軽に編集できるため、同じ場所を何度も書き直す推敲ループを起こしやすい。
 特に精神的に弱ったり迷ったりしてる時は、一日中同じところを書き直して1行も進まないことも。
 そこで原稿用紙に書くことで強制的に文章の推敲を後まわしにさせ、最後にワープロで清書するという進め方もある。