▲TOP
公開:2018年3月14日 更新:2018年3月14日

再評価

再評価曲線
再評価、そして定番化
 最初の作品が発表されてから30年以上、多くは50年以上経って再評価される話をよく耳にします。
 ようやく時代が追いついたという現象です。
 最近は平均寿命が伸びたおかげもあってか、作者が生きているうちに再評価される例が増えています。でも、そういう方たちがそろって80歳以上なのは、これが厳しい現実でしょうか。
マイブームの支えあっての再評価
 世の中の流行とは関係なく、一人一人が何かにハマることがあります。いわゆるマイブームです。
 たとえば図書館や古本屋である人の作品に触れてハマってしまい、片っ端から読みたくなる経験はないでしょうか。
 音楽でも有名な作品だけでなく、マイナーな作品もすべて聴きたくなる時があります。
 こういう作品は時代が変わっても鑑賞に耐えられるほどの魅力があるでしょう。その中から大勢の人たちが再評価する作品が出てきます。
再評価された作品の例
竹取物語
 世界最古とされる小説の一つです。でも、この作品は一時期時代の中に埋もれてしまったため、作者も創作年代もわかっていません。
 そのため作者と創作年のわかっている「源氏物語」の方を世界最古の小説扱いすることが珍しくありません。
 源氏物語の中に、この「竹取物語」の話題が出てくるのにねぇ。(苦笑)
 詳細は「エンタメ小説史〜古代」で。
御伽草子
 同じように日本には作者がわからなくなった童話がたくさんあります。
 それを鎌倉時代にまとめたのが「御伽草子」です。これも再評価されて日本の定番童話になった一例です。
 もっとも、伝えられるうちに教義や思想的なものが入り込んで、たくさんのバージョンが作られてます。
 そして明治時代以降、絵本にするために多くの童話が発掘されました。
 詳細は「エンタメ小説史〜中世後期」で。
ヴィヴァルディの作品群 〜クラシック音楽
 クラシック音楽の中にも、再評価された作品はたくさんあります。
 今は大作曲家とされるJ.S.バッハの作品も、メンデルスゾーンが死後80年後に発掘するまでは忘れられた作品群でした。
 協奏曲「四季」で有名なヴィヴァルディの作品も、まさに再評価されて定番になった一つです。
 彼の作品の再評価が始まったのは、SPレコードが普及した1940年代。そこに収録するのにちょうどよい1楽章5分以内(最大6分)の曲を探していた時です。それにピタッとハマったのが協奏曲「四季」。彼の死後300年でした。
 そして、更に50年経った1990年代になって、本格的な再評価が始まって現在に至ってます。
竹久夢二 〜イラストレーター
 大正時代に活躍したイラストレーターです。
 昭和40年代に大正ロマンの代表として取り上げられ、再び表舞台へ出てきました。
内藤ルネ、高橋真琴など 〜イラストレーター
 最近、日本の「カワイイ文化の原点」として、再びメディアが取り上げるようになった方々です。
 活躍していた時代から50年近く経ってますね。奇しくも竹久夢二が再評価されるのと、同じぐらいの時をあけています。
 この方々は生きているうちに再評価が始まった意味で、クリエーターとしては幸運です。