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その他・読み解きメモ/社会への教え/学識について

総論について
・(道理分からず理屈ばかり申しているが)一枚の紙にも裏表、ちっと誤ればわからんことになるぞ(上つ巻 第20帖)
 この言葉自体は近代民主主義や人権問題の議論に対して向けられたものだが、学識に関してもまったく同じことが言える。
 特に観測できないものに対して、理論に理論を重ねる理論物理学や、生命科学がこの問題にあるだろう。
 たとえば19世紀、宇宙はエーテルに満ち、生命は顕微鏡でも見えない小さな機械で動いてると思われていた。
 そのエーテルはのちの時代に光量子仮説で否定され、生命を動かす機械もDNAの発見で否定された。
 そして現在は、理論に理論を重ねたビッグバン宇宙論が、対象となる学識の代表だろう。
 ちなみにヨーロッパでは理論の積み重ねを廃し、観測可能な現象のみから理論を考えるプラズマ宇宙論(電磁流体宇宙論)が広まりつつある。
 ビッグバン宇宙論は、重力のみで宇宙を考える理論である。だが、まだ最先端の素粒子論では重力のみ伝達物質──重力子が見つかっていない。
 そこで重力子は存在しないと仮定し、天体は静電気で流体のように振る舞うと考えるのがプラズマ宇宙論である。
・学の鼻高さん何もできんことになるぞ、今に世界から正味が段々わかって来て、慌てても間に合わんことになる(空の巻 第12帖)
 偉そうに語るが、予想をハズしまくって自己弁護する政治アナリストやエコノミストのこと。だが、他の分野でも現象は起きている。
  ・19世紀、電磁波をオカルト扱いしていた物理学者たち。マクスウェルが電磁気学を完成させた後も続いていた。
   その電磁波(電波)は現在では電気通信などに便利に利用されている。
   オカルト扱いといえば、最近でも1980年代までの共鳴現象、2000年頃までの低周波騒音・振動などで見られる。
  ・1903年にライト兄弟が初飛行に成功してからも、物理学者たちの多くは飛行機を信じてなかった。
   実物を見ればわかるはずが新聞社ですら取材に行かず、初飛行から1年近くも否定記事を書き続けていた。
  ・1947年に音速飛行が実現するが、これも当時の物理学者は不可能だと言い続けていた。
   ちなみに学者たちはプロペラ機で考え、ジェット機の存在を知らなかった。
  ・集積回路の導線の幅。量子論では1μmが技術的限界としていた。それ以下では電子が流れないと思われていた。
   実際には2015年にIBMが導線の幅が7nmでも動くことを確認している。すでに理論値の100分の1以下。
   ただし、導線幅が狭くなるとゆらぎの影響で正しく流れないこともあるため、補正の必要が出ている。
   補正しない場合、1990年代のPentiumで起きたように、1兆分の1の確率でCPUが単純な計算ですら計算ミスを犯す。

 

科学の成果について
・物作る時は保食(うけもち)の神まつれ。産土(うぶすな)の神様にもお願いして、お取次ぎ願わねば何事も成就せんぞ。
 人民の学や智ばかりで何ができたか。早く改心第一ぞ。(松の巻 第28帖)
 神さまの力を借りない科学技術では、本来の力の三分出すのも難しい。
 その三分だけでも近世の科学技術は目覚ましい発展をしているが、まだまだということか。