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その他・読み解きメモ/社会への教え/政治について

近代政治について
・(道理分からず理屈ばかり申しているが)一枚の紙にも裏表、ちっと誤ればわからんことになるぞ。(上つ巻 第20帖)
 表向きは正論っぽい理屈でも、扱いを間違えると世の中を不幸にする。戦後民主主義や人権問題の議論が、まさにその典型。
 たとえば女性の権利も、日本ではウーマンリブの間違った主張によって1960年代以降、男女の賃金格差、性犯罪の軽罰化、社会的な役割負担の要求など、女性がどんどん生きづらくなる社会慣習が加速している。
・国の(やまい)も同様ぞ、頭は届いても手届かぬと(やまい)になるのぞ。(天つ巻 第30帖)
 頭では考えていても、福祉で行政が手を差し出さない部分はセーフティから漏れる社会問題そのもの。
 社会を病気にしないためには、行政の手の届かない領域をなくす必要があるという当たり前の話。
・神の国には政治も経済も軍事も無いのだぞ、まつりがあるだけぞ。
 これは政治ぞ、これは経済ぞと別ければ別けるほどわからなくなって、手に負えぬことになるぞ。(天つ巻 第30帖)
 国を治めるのはまつりごと。これは今も昔も変わりない。
 だが、近代社会は専門化、細分化が進んでしまい、知識人とされる人でも自分の専門外のことにはまったく門外漢となる事態が増えている。
 これでは複雑に相互関連した社会では、お手上げになるのも当然といえる。
・理屈は悪と申してあろうが。理屈ない世に致すぞ。(夜明けの巻 第7帖)
 今は法治国家の時代。だが、法律は解釈をめぐって屁理屈の応酬戦になる。日本の憲法論議が良い例。
 だが、マコトの法律であれば、科学のように屁理屈の入り込む余地はなくなる。
 科学に屁理屈を使う例は、健康問題や放射能問題でよく見られる現象であるが、それがどれほどトンチンカンかについては、科学をちゃんと理解している人には言われなくても自明である。
・人の殺し合いでこの世の建て替えできると思っているのも悪の守護神ぞ。
 肉体いくら滅ぼしても、よき世にはならんぞ。(たましい)は鉄砲では殺せんのだぞ。
 魂はほかの肉体に移って目的立てるのだぞ。いくら外国人殺しても、日本人殺しても、よき世は来ないぞ。(風の巻 第13帖)
 アメリカによる短絡的な外交姿勢への警鐘。
 敵を殺せば国際秩序は健全になるというアメリカが一番の軍事力を持ったならず者国家であるため、アメリカが軍事オプションを使って他国を制圧すればするほど世の中はアメリカを嫌って敵を増やしていく。
 となれば対米追随を続ける日本の外交姿勢も、いい加減に見直さないと同類にされてしまう。
・今の政治は(むさぼ)る政治ぞ。神のやり方は与え放しだぞ。(光の巻 第3帖)
 増税ばかりしておきながら、福祉はどんどん削っている平成時代の政治そのもの。
 しかも増税しながら福祉を削っても財政が苦しいのは、公務員給与が上がりすぎて人件費で圧迫されてるから。
 なんで、そんな事態になるのか。まさに貪る政治。

 

民主主義について
・公平という声に騙されるなよ。数で決めるなと申してあろうがな。(黄金の巻 第56帖)
 戦後民主主義への警鐘。群集心理は邪霊に支配されるから、マスメディアに扇動された民意は常に間違う。
 そして選ばれた政治家が腐り、下への示しがつかない。まさにイワシは頭から腐る。
・わからん者いくら集めてもわからん道理。二は二、三は三であるぞ。一を二つ集めても二にはならんぞ。(扶桑之巻 第2帖)
 ことわざにある「三人寄れば文殊の知恵」の逆説。
 英語のできない人を何十人集めても通訳できない。あまりにも当たり前なのに、ことわざのせいで答えが出ると信じてる悪い思い込みがある。
・投票で代表を出すと、ほとんどが悪人か狂人であるぞ。
 世界が狂い、悪となり(中略)ますます混乱してくるのであるぞ。(月光の巻 第7帖)
 民主主義の最たるもの、選挙による投票の問題。口達者な者ばかりが選ばれ、世界がますます混乱する。それが1人区となるとなおさら。
 だが、日月神示は選挙そのものまで否定していないように思う。
 
 今の選挙は悪平等による投票。お金さえあれば誰でも立候補できる「平面のみの裁断」「キン(金)による政治」と説いている。
 それに対して立体の道による神による裁断を唱えているが、これを文字通り受け取ってしまうと神託による政治家選びという質の悪い宗教じみたものになってしまう。現実的には選挙の階層化だろう。
(1) 予備選に勝ち残った候補者のみが本番の選挙に立候補できる方式
 アメリカの大統領選などで見られる方式。予備選への立候補は誰でもできる。ペットの猫でも立候補可能。人工知能も立候補できる。
 それら立候補者が少しずつ大きなコミュニティでの予備選で戦い続け、その間に時間をかけて立候補者の人となりを見て(ふるい)にかけていく方式。ここで政治信条だけでなく、人格まで世間にさらされることになる。
 ただしアメリカのやり方では勝ち残っていた候補でも、資金が尽きて撤退することが珍しくないので、そのままでは金の選挙だろう。
(2) NGOが身元調査し、お墨付きを得た候補者のみ立候補できる方式
 イギリスの議会選挙が行っている方式。立候補予定者は複数のNGOによって徹底的な身元調査や思想調査が行われ、その審査を通った人物のみが立候補できる方式である。
 ただし背後で政党が運営するNGOが出てくると、この方式は形骸化する恐れがある。またお金で審査結果を買えるNGOがあると方式は有名無実化するし、日本の場合は公務員の天下り先として利用されかねない問題もある。
(3) 投票では1人を選ぶのではなく、立候補者全員に点数をつけて合計点で選ぶ方式
 フランスが試験的に提案している選挙方法。2017年の大統領選で、一部の自治体で試験運用された。
 なおフランスの試験運用では具体的な点数ではなく、文言による選択とした。
   ・是非、大統領(議員)として活躍してもらいたい(3点)
   ・大統領(議員)に選ばれても問題はない(2点)
   ・仕事ぶりを見てみたい(1点)
   ・評価しない(0点) ……無記入の場合のデフォルト
   ・大統領(議員)にはなって欲しくない(−1点)
 組織票があっても、それは有権者全体の2割に届かないのが一般的。そのため狂信者集団が3点に入れる組織票があっても、その3倍以上の有権者が危険を感じて−1点を投じた場合は確実に落選する。現実的には倍でも落とせるだろう。
 試験では組織票を持たない2位の有力候補が、無事に選ばれたようだ。(従来方式では組織票で右翼候補が大統領として選ばれたが……)
 この投票は科学を更に浄化するものらしいから、(3)の方式かもしれない。
 希望としては(2)と(3)を組み合わせた方式が良いのかもしれない。

 

これからの政治について
・働かん者にもドシドシ与えて取らせよ。働かんでも食べさせてやれよ。そこに神の政治始まるのじゃぞ。
 神の経済じゃ。やって見なされ。仕事させてくれと申して、人民喜んで働くぞ。遊ぶ者なくなるぞ。
 皆々神の子じゃ。神の魂植え付けてあるのじゃ。長い目で見てやれ。
 惜しみなく与えるうちに人民(じんみん)元の姿現れるぞ。(一部中略)(光の巻 第3帖)
 この帖はベーシックインカムの提言として考えるとわかりやすい。
 人間の心は強くないので、貧しさに負けると働く意欲が失われる。
 また、貧しいと外出を控えてお金を使わないようにするし、貧しさを後ろめたく感じてる人は外出できなくなって、大人の引きこもりを増やす原因ともなっている。
 また貧困から来るストレスを解消するために、酒、パチンコ、ゲームなどで現実逃避する傾向も見られる。これをただ遊んでるとだけ見ると、物事の本質が見えなくなる。
 そこでベーシックインカムなどで食い扶持に困らない状態にしてやれば、また多くの人がまた働くようになるという提言だ。日本人は神の人民として、そういうようにできているらしい。
 神示通りなら与えた金額以上に税収が増え、国は予算の使いみちに困ることになるだろう。
 
 日本人のお金に困ってないのに働く現象は、年金生活に入った人たちに見られる現象である。
 中でも十分すぎる年金を受け取っている人たちは年金生活の初めの頃こそ旅行や習い事などで遊ぶように暮らしている。だが、その状態がしばらく続くと日暮らしの生活に飽きて、また働き始める人が多い現象として見られる。

・与えよ、与えよ、与えよ。与える政治と申してあろうが。〜自分から湧き出ねば自分のもので無いぞ。(春の巻 第43帖)
 国民に対してのベーシックインカムだけでなく、国際政治でも戦前までの日本の政治は与える政治だった。
 国(社会)が与えたものは、かならず国に返ってくる。その最たるものが戦前の学校教育だ。
 戦前の学校教育では国が優秀な人を援助して、立派な人材として育てていた。それらの人たちはその後の働きで、援助した以上の税金を国に還元している。
 また戦前のODA(政府開発援助)も日本主導でインフラ整備や産業振興が行われたため、その国は発展して十分に国力をつけることができた。しかも貸与ではなく、その後の経済交流で日本に利益を還元させるやり方だ。この還元は搾取ではなく、あくまで双方が発展するやり方である。
 
 だが、この与える政治は太平洋戦争敗戦後にアメリカが採った占領政策によって、骨抜きにされて今に至っている。
 学校教育も戦前のやり方に「軍国教育」というレッテルを貼った反動で、国が子育てに予算を出すことをためらう社会になっている。奨学金もその実は学資ローンだ。そのため学力が個人の資質よりも親の所得に比例している。しかも背景に社会のある国に育てられていないため、高学歴な人ほど利己的で他人に対して冷酷になる悪弊を生んでいる。
 またODA(政府開発援助)に関しても貸与ばかりであり、しかも相手政府に渡すだけで口を出さないため、中国のようにすべてを軍事費にする国も出ている。これでは援助の意味がなく、効果が出ないばかりか不満だけが膨らむ。
 
 まあ、政府レベルでは骨抜きのままだが、民間人の中には「与える政治」を実行して、双方が利益を出せるようにして成功させた人も多い。
 たとえば2008年〜2010年、ソマリア内戦の影響で急増したソマリアの海賊は、国連が多国籍軍を出して駆逐しようとしたが失敗している。
 ところがスシダネを探していた『すしざんまい』の木村清社長が単身で乗り込み、ソマリアの海賊たちに漁船、保存用の冷凍倉庫、販売ルートを与え、更に国際漁業団体への加盟手続きもしてキハダマグロ漁をさせたことで、あっという間に海賊が姿を消すことになった話もある。
 
 政府の方も近年、自虐史観を改めて戦前の再評価を始めている。その戦前の政府が行っていた、与えることで双方に利益をもたらす政治は、まさに「与えよ、与えよ、与えよ」である。
 ただ、その「与えよ」に強欲な欧米社会や中国が、またも搾取しようと群がってきているが……。